廃業寸前の6次産業化推進を進める企業を救った方策とは?

私が6次産業化プランナーに認定された2017年の暮れにサポートセンターから是非、相談に乗ってもらいたい企業が島根県浜田市にあるので、行ってもらえないか?という相談がありました。
この企業は生産者ではなく、地元の漁業者等を6次産業化へ導くための
サポート企業との事でした。
実はこの会社の代表を務めておられる方は島根県の県会議員の方で元々は浜田市の水産課の職員を務めておられたそうです。
この職員時代に浜田市のブランド魚の立ち上げを主導された方です。
そのブランドが【どんちっちアジ】というブランドです。

この時の活動が評価され県会議員に推されたそうです。
この会社が考える6次産業化のビジネスモデルは以下の様なものでした。
・浜田港に連日多くの水産物が水揚げされる。
・この水産物に付加価値をつけてブランド化し、地域の生産者・加工業者らの所得向上に 寄与したい。
・付加価値を付けるために自社でシャーベット氷の製造装置、高電位冷凍装置を導入し、関西圏に営業マンを配置し積極的に営業活動を行う。
これらが6次産業化としてのビジネスモデルとの事でした。
私はとにかく現状把握が必要だと感じ、早朝の浜の競り場へ出向きました。
この港に水揚げされる大部分の水産物は【遠洋巻き網漁】と呼ばれる漁法で捕った魚でした。

【遠洋巻き網漁】は通常、1回の操業期間は1週間~10日間がほとんどです。
1週間船内できちんと保管したところでやはり獲れたての水産物とは比べる程の物ではありません。

いくら、シャーベット氷で鮮度保持を行ったところで捕れたての様な状態に戻るわけではないのです。
残念ながら・・・代表はプロではありませんし、子供の頃から見ている水産物はこれが当たり前なのでわからなくても当然です。
私がこの装置のメーカーの営業マンならまずそれをお客様に説明すると思いますが、一般的なメーカーの営業マンは売る事しか考えないので、耳障りの良い情報だけを伝え購入させたのでしょう。
要するに高額の無用の長物でした。
また、当時営業マンは5人(2人は正規、3人は非正規)いたのですが、魚の目利きの出来る人間もおらず、地元の仲卸業者に丸投げ状態で営業・販売経験の無い人材だけでした。
その結果年商はわずか300万円足らずという大赤字状態でなんとかしてくれないか?という有様でした。
私の答えは「これ以上傷口が広がらない様にすぐにでも廃業された方が???」でした。
しかし、代表は社会的地位の方で地域貢献の為にも助けて欲しいとの事でした。
そして、仕方なく私はプランナーという立場ではなく、顧問という立場でお手伝いする事となったのです。
しかし・・・無理なものは無理
私が出した条件はまず、取扱う商品を変える事と無駄な出費を抑える為、営業マンの整理を求めました。目利きも人脈も営業経験も無い人材に支払う余裕等無いのですから・・・
結局、私が商品調達、販路開拓、営業活動を一人で行う事になりました。
まず、商品は浜田港に入船する巻き網漁のアジやサバを中心に仕入れる。そしてそれを量販店や百貨店などへ販売する様にチェンジしました。
また、同時に大口の販売先開拓の営業活動に注力しました。
それが大阪の隣の奈良県で有名な【柿の葉寿司】の会社でした。

柿の葉寿司のネタの中心はサバです。
私はここで使用するサバを浜田のサバに変えてもらおうと考えたのです。
そして、ある柿の葉寿司のメーカーさんが他社との差別化として国産素材を使ってみたいとおっしゃってくださいました。
もちろん、メーカーさんにしても素材の中心を大きく変更するにはリスクを伴います。何度も試作を重ねて1年程経過しようやく商談がまとまりました。
しかし、この企業様のサバの仕入れ額は年間約5000万円です。しかも安定的な仕入れが発生します。
一年前は営業マン5人で年商300万円足らず。
量販店への販売とこのサバの販売だけで約20倍程の売り上げです。もちろん利益率も確保出来ています。そして営業マンは私のみです。
ちなみに私の顧問料は営業マン1人分と同額です。ただし、成功報酬として利益から折半して頂く様にはなっておりましたが・・・
いかがでしょうか?
営業マンを一から育て成果を上げるまでのコストと時間を考えるとこの様にアウトソーシングし、その分無駄なコストを抑えるというのがビジネスの常道だと考えるのですが・・・
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